高配当株へ投資したい、または投資している方は「配当利回り」に注目している方が多いのではないでしょうか??
今回の記事では「DOE」に注目した投資法をご紹介します。
DOEでの投資は配当に安定感があるのでオススメですよ!
DOEって何よ??
なんか難しそうだから
読むのやめよ・・
大丈夫です。
しっかり説明します。
DOEとは?
DOEは、"Dividend on equity ratio"の略で、日本語では「株主資本配当率」とも呼ばれ、株主資本に対して、株式会社(企業)がどの程度の利益配分を行っているかを示す財務指標をいいます。
iFinanceから引用
ちょっと難しいですね。
分かりやすく説明していきます。
株主資本とは、会社の資産と、会社が今までに貯めてきた利益の合計額のことと思ってください。
もっと言うと、会社の「純資産」と考えた方が分かりやすいです。
※以下、分かりやすく「株主資本」→「純資産」と表記します。
DOEとは、会社の純資産に対してどのくらい利益配分を行っているかを示す財務指標となります。
純資産1万円の会社が500円の配当金を出したら、DOEは5%となります。
500円÷10,000円=0.05(5%)
実在する会社の配当金はどのくらいになるか知りたいわ。
では実際にDOEを指標として配当をしている企業の実例を説明します。
天馬という会社です。
天馬はDOE2.5%以上を目標としています。
今回はDOE2.5%で計算します。
まず会社の「純資産」をチェックします。
画像は天馬の2019年3月期の決算短信
純資産を拡大します。
純資産は右の数字なので「74,964(百万)」、約750億円となります。
DOE2.5%が配当金になりますので、
750億×2.5%=18.75億(円)
よって天馬は2019年3月期に、18.75億円を配当金に回すことになります。
1株あたりの配当金は、発行済み株式総数から会社保有の自己株式を引いた株数で割ります。
18.75億÷24,128,891(株)≒ 77円
よって1株あたりの配当金は77円となるはずです。
では実際に配当金はどうだったでしょうか。
天馬が実際に出した配当金総額は19.36億円であり、
1株あたりの配当金は80円でした。
DOE2.5%以上の約束通り、77円より少し多めの80円を配当しています。
以下、DOEを指標として配当金を出す会社に投資することを、
「DOE投資」と表記します。
「DOE」で高配当株投資するメリット
安定配当が期待できる
一般に配当金は、1年の利益の一部を株主へ還元します。
よって利益の多い年は配当金も多くなり、逆に利益の少ない年、または赤字の年は配当金が少ない(もしくは配当金がない)こともあります。
一方、DOE投資ではその年の純資産に対して配当金額がきまりますので、よほどの大赤字でもない限り毎年安定した配当金が望めます。
利益が毎年伸びている会社であれば、毎年純資産が積み上がりますので、右肩上がりの配当金が見込めるでしょう。
赤字でも配当金が出る
DOEを指標として配当金が決定される場合、純資産がマイナスになるほどの大赤字でない限り、配当金が出るでしょう。
※ただし、最終的に配当金が出るかどうかは会社が決定しますので、絶対出るとは言えません・・・
一時的な業績悪化で利益が落ちても配当金が出る、という認識がよいでしょう。
DOE投資で注意すること
財務状況が良い会社であるか
資産はたくさんあるけれど、実は負債だらけで純資産は少ないという会社はよくあります。
このような会社はDOE投資の観点からすると避けるべきです。
なぜなら、借金をして事業拡大を狙っているので、利益が増えても借金返済に充てられるか、さらに借金をしてさらなる事業拡大を狙う場合が多いからです。
なかなか純資産が積みあがりづらいのです。
ちなみにこのような会社は「株価上昇」が期待できることも多く、投資対象外というわけではありません。
あくまでDOE投資の観点からすると投資対象外ということです。
株など価格変動する資産を多く持っていないか
市場に上場している株など、価格変動資産を多く持っている会社は注意が必要です。
もし市場の暴落(リーマンショックや東日本大震災)が発生し、会社が保有する株の価格が全て半分になってしまうと、大きく純資産が減ってしまい配当金も減少するでしょう。
逆に市場が大きく上昇した場合、純資産は増加しますので配当金の増加も期待できます。
DOE投資の観点からすると、価格変動資産を多く持っている会社はハイリスク・ハイリターンになります。
配当金の前に暴落で株価が大きく下がってそれどころじゃないかも
「DOE」と「配当性向」の違い
配当性向とは?
配当性向は、「配当支払率」とも呼ばれ、当期純利益に占める年間の配当金の割合を示したものをいいます。
iFinanceより引用
さきほどの天馬という会社でご説明します。
天馬の2019年3月期の当期純利益は22.23億円、
1株当たり当期純利益は92.12円となります。
仮に天馬の配当性向が50%であるとすると、
92.12×50%≒46円(1株あたりの配当金額)
上記の通り、当期の1株当たりの配当金は46円となります。
もし来期天馬が大きく業績を伸ばした場合、配当金は50円や60円と大きく増配が見込まれますし、
逆に大きく業績が悪化した場合、配当金は30円以下、下手したら0円になる可能性も否定できません。
よって、配当性向を指標として配当金を決定する場合、DOE投資に比べてハイリスク・ハイリターンであると言えます。
今後数年大きく業績が伸びるであろう、と自分の企業分析に自信がある場合などは「配当性向」を指標とした投資の方がよい場合もあるでしょう。
どちらがよいかについてはご自身で考えて決定する必要があります。
最後に、天馬について「配当性向」での例を挙げましたが、あくまで例であり実際天馬は「配当性向」に基づいて配当しているわけではありません。
「DOE」採用おすすめ銘柄
DOEはなんとなく分かったからどの株に投資したらよいか教えてよ!
私がDOE投資している銘柄の一例を挙げさせていただきます。
中電工
DOE | 2.7%以上 |
配当利回 | 4.28% |
株価 | 2,430円 |
会社がDOE2.7%を目途に配当を行う方針と宣言しています。
配当利回りも約4.3%と高配当と言えます。
上記の通り純資産には安定感があります。
中電工のメリットは、自己資本比率80%超と財務が良好で、価格変動しづらい国債・社債等を多く保有している点です。
中電工有価証券報告書から引用
約850億保有しており、純資産の約40%になります。
配当金の安定性は高く、ここ数年は右肩上がりです。
中電工HPから引用
天馬
DOE | 2.5%以上 |
配当利回 | 4.21% |
株価 | 1,900円 |
会社がDOE2.5%を目途に配当を行う方針と宣言しています。
配当利回りも約4.2%と高配当と言えます。
上記の通り純資産には安定感があります。
天馬のメリットは300億を超える現金を保有している高財務体質です。
しかも時価総額(会社の価値)が約500億に対し、300億の現金保有はDOE投資の観点からすると安心感があります。
セゾン情報システムズ
DOE | 10%目安 |
配当利回 | 3.7% |
株価 | 2,300円 |
会社がDOE10%を目安に配当を行う方針と宣言しています。
セゾン情報システムズ 中期計画修正に関するお知らせより引用
DOE10%は日本でトップクラスの還元率になります。
ただし、目安といっているため他2銘柄に比べて信頼度は少し落ちてしまうかもしれません。
セゾン情報システムズは直近数年間純資産が急増しています!
だから会社も自信をもってDOE配当へ切り替えたのかもしれませんね。
高配当株投資ならDOE投資がおすすめな理由 まとめ
DOE投資とは、株主資本(純資産)の一部を配当金として還元する企業に着目し、安定した(高)配当が見込める企業に投資する手法の事です。
DOE投資のメリット、注意点、「配当性向」との違いについて説明しました。
高配当株投資については以下の記事で「複利効果」とともに詳しく解説しましたので、ぜひ読んでみてください!
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コメント
ランキングから来ました。
DOE 初めて知りました。
配当株ですね。
情報ありがとうございます。
やすらぎさん
コメントありがとうございます。
DOEを指標にすると大きく配当が減る危険が少ないので、
長期投資にはオススメです。